印章資料館Seal Museum

はんこの資料展示室には、印譜「十鐘山房印挙」、「小林斗盦作品」をはじめとする貴重な資料を展示しています。そのほかにも。明治時代初期から印章彫刻に使われたノミや砥石などの貴重な道具類、印章販売時の注文書やカタログ、六郷の印章文化を築いた先人の作品や現代作家の作品など、数百点に及ぶ寄贈品・寄託品を展示しています。
これらを通して、六郷に息づく印章づくりの歴史と技術の歩みを感じられます。

十鐘山房印挙

『十鐘山房印挙(じっしょうさんぼういんきょ)』は、清の陳介祺(ちんかいき)が71歳だった1883年(光緒9年)に制作した印譜集です。「十鐘山房」とは彼の書斎の名前に由来しています。

これまで数多くの印譜集が作られてきましたが、この十鐘山房印挙はわずか10部ほどしか制作されなかったため、非常に貴重で骨董的価値の高い作品とされています。
1枚に1つの印が押されており、全体は30挙・191冊に分かれ、総数は1万点以上にも及びます。その数の多さから、押印作業だけでも1〜2年かかったとも言われています。

押印されているのは、陳介祺が自身で集めた中国、戦国時代~漢、魏晋時代の、今から2000年ほど前に使われていた印章です。これらの時代は、文字の変革期であり、文字(漢字)が完成された過程の時代であり、印譜を見れば、その時代時代の特徴を見ることが出来ます。

また、現在の日本へ受け継がれてきた印章の基礎が出来た時代でもあり、また、芸術的観点から見ても歴史上最高峰だといわれ、現在、印刻者にとってお手本とされています。
ちなみに紙幣に印刷されている印影の書体を「篆書体」といいますが、その書体はすべて漢時代の印が基になっています。

陳介祺は有名なコレクターでもあるが、古印の研究家とも交流が深く、自らも研究していたので、質の高い印章を集めることが出来、状態の良いもの、さらに印箋・印泥などを厳選し、当時では最高の環境で押印していると思われます。
以上の事から、十鐘山房印挙は大変貴重とされ、十鐘山房印挙の印譜は様々な古銅印譜集の印刷本の原稿に使われています。

十鐘山房印拳閲覧システム

世界に7部しかないといわれている最大無比の古銅印譜集「十鐘山房印拳」。公共施設では、上野の東京国立博物館、古河の篆刻美術館に所蔵されていますが、ほとんど公開されていません。その全貌を見ることは困難です。
当印章資料館でも191冊のうちの数冊の一頁のみの公開となっていますが、紙の劣化などを考えると致し方ありません。

そこで、市川三郷町は、旧六郷町時代に一葉一葉をデジタル化したデータベースの閲覧システムを完成させ、十鐘山房印拳の表紙、序説、解説文、収録印一万数百方の原本の閲覧を容易に行うことが可能になりました。
2000年前の中国文化、影印本にはないよりリアルな印影・色彩は感動することでしょう。
また、40インチの大型液晶画面によって拡大された印影は、印影を拡大すると粗が出るという通説を無視する完成度で芸術性も高く、細かい線質等も見ることができます。
さらに、お気に入りの印譜を印刷することも可能であり、旅の思い出、研究資料として好評です。

小林斗盦(こばやし とあん)

六郷印章資料館には、現代印章界を代表する篆刻家・小林斗盦(とあん)氏の貴重な作品が展示されています。
力強くも繊細な刀法と深い造形美は、印章芸術の奥深さを体感させてくれます。
伝統と革新が融合した斗盦氏の作品を通して、篆刻の魅力と文化的価値をじっくりと味わうことができます。

巨大印「不動如山」

駐車場の入り口には巨大印があります。
「不動如山」 動かざること山のごとし武田信玄公の軍旗にも掲げられた一文です。

印章に関する貴重な資料

明治時代初期から印章彫刻に使われたノミや砥石などの貴重な道具類、
印章販売時の注文書やカタログ、六郷の印章文化を築いた先人の作品や現代作家の作品など、
数百点に及ぶ寄贈品・寄託品を展示しています。

開館時間

平日 土日祝日
4月~11月 8:30~17:00 10:00~15:00
12月~3月 8:30~17:00 休館日

アクセス

〒409-3244
山梨県西八代郡市川三郷町岩間2160
市川三郷町地場産業会館内
TEL:0556-32-2159

電車でお越しの方:JR身延線 甲斐岩間駅より徒歩3分
車でお越しの方:中部横断道六郷ICより3分

※Googleマップのナビをご利用の際は「日本一の巨大はんこ」で検索していただくとスムーズに案内されます。