印材・書体Seal materials and fonts

印章は、使用する素材と書体によって仕上がりが異なります。印材には、水牛や木材、樹脂、金属などさまざまな種類があります。書体は、篆書、隷書、楷書、行書、草書などがあり、それぞれ特徴があります。印章を作る際は、用途や目的に合わせて印材と書体を選びます。

印材

  • 角類(つの)

    黒水牛・牛角(白)・牛角(色)・サイなどがあります。
    黒くつやのある美しさが風格を醸し出す黒水牛、。そして、透明度のあるベージュ色に黒や茶褐色の模様が特徴の牛角は、美術品のような高級感を持ち、ともに、最もポピュラーな素材です。

  • 牙類(きば)

    象・鯨・カバなどがあります。
    彫りに適したほどよい硬さで、精密な仕事に向いています。
    特に象牙は耐久性に優れ、数世代にも渡って使用できる天然の素材です。
    “アイボリー”とは、象牙色のこと。いつの時代にも、いつまでも変わらない気品と質感の美しい最高級の素材として長い間親しまれてきました。

  • 木・竹類(き・たけ)

    柘・紫檀・白檀・竹根等があります。
    木のハンコといえば、ほとんどが柘、成長が遅いため、緻密で硬く印材には最適です。
    淡黄色で美しい木肌は使うほど手に馴染み、丈夫で気軽に使えるのがイイところです。他の素材と違うところは、なんといってもこの軽さ。携帯性に優れているのはもちろん、使う時の温かな感触も魅力です。

  • 石(いし)

    ろう石・水晶・めのう・虎目石・ひすい・砂金石等があります。
    水晶といえば山梨県が有名なのですが、今ではほとんど輸入されているのが現状です。
    しかし、長い間育まれた彫刻の技術は、今日も受け継がれています。色とりどりに輝く宝石に刻まれた美しい文字。特別なものとして根強い人気があります。

  • ゴム印

    氏名、住所、科目等々、その用途は多岐にわたります。
    かつては職人さんがゴム板に左文字を書き、手作業で彫り進めていましたが、現在ではパソコンと連動した写真植字やレーザー彫刻機が開発され、様々な書体やデザインを用いたゴム印の製造が可能になりました。
    シャチハタに代表される浸透印も広い意味ではゴム印の仲間であり、公の書類への押印は認められません。

  • ケース

    あなたの大切なはんこをやさしく守る印章ケースは、とても複雑な作業工程を経て製品になります。
    その種類は外装材によって分けられており、牛革、トカゲ皮、ワニ皮が一般的ですが、山梨の伝統産業である甲州印伝(鹿皮に漆で模様をつけたもの、戦国時代の武具、甲冑に用いられた。)やろうけつ染め、最近では有田焼のケースまで登場しています。

  • 表札(ひょうさつ)

    さて、ここでは表札に文化を楽しみましょう。
    その表札自体にも歴史があり、明治4年に各家の門口には必ず姓名、番地を記入した標札をつけるようにご命令が出て改めて表札が民家に普及してなんと、百十数年になりました。
    素材として木、石、陶器などが用いられ、近年の住宅事情に合わせて様々な形、サイズが登場していますが、あえて私たちは、木製をおすすめします。
    ヒノキ、さくら、一位など、伝統文化の香りがあるし、経済的だし、日本の家にはこの素材が合うのではないでしょうか。

  • オノオレカンバ(斧折樺)

    六郷(市川三郷町)産の新素材オノオレカンバを紹介しましょう!
    南アルプスのニオイがするNEW・INKAN・GOODS。はんこや表札に使われています。
    六郷(市川三郷町)にきてコイツと会ってみれば、 きっと、あなたは、トリコになる?!

書体

  • 篆書てんしょ

    中国太古の「甲骨文字」を統一して制定された円頸古拙の文字であり、長い間に自然発生したものと考えられています。
    また、単に篆書という場合は、代表的に小篆をさしていると考えてよいが、甲骨文・籀文・古文を含めて奏篆(小篆)までを篆書ということもあります。

  • 印篆いんてん

    漢時代の印は、ほとんど角印であるので、小篆をその中へ納めやすいようにと提案された書体です。
    角、丸、小判等に配分しやすく、やや角ばり、荘重でな書体です。

  • 隷書れいしょ

    曲線的な小篆を、直線的に簡単易化し点画は蔵鋒(返し筆)とし、終筆は力を入れて締め、波磔(主となる横画の右端かまたは右払いの先端のいずれか一ヶ所に波勢をつけること)のないもので、方頸古拙の味を表現したものです。奏の時代に程ばくによって作られたと伝えられ、前漢の時代に一般化したものである。「古隷」ともいわれています。

  • 古印体こいん

    石の字風がもとになって生まれたもので、日本で始められた印章用の書体です。
    鋳印の際に生じた鋳だまりや、銅の流れぐあいによって生じた切れぎれの所があり、また、線に強弱等の変化を付けて工夫された古雅な味があります。

  • 楷書かいしょ

    中国の後漢の末ごろになって、隷書の中から順次脱化し、八分から変化したものです。
    篆書より後にできましたが、六朝から唐初頭にかけて中国は、まだ統一されていず、その後印刷技術の普及、隆盛に伴って、正体として用いられるようになったものです。

  • 草書そうしょ

    隷書を早書きしているうちにできたと考えられる書体の章草よりも、さらに書きやすく改められたものです。昭和初年頃までは、時々注文がありました。